しまうまプリント — 写真プリント注文システム(PC版)のリニューアルと注文カートの共通SPA移行
しまうまプリントの主力商材である写真プリントについて、PC版の注文システムをリニューアルする開発に取り組んでいます。2026年7月には、その一環として注文カートを商材横断の共通注文アプリケーションへ移行し、本番リリースしました。
課題
PC版の写真プリント注文システムは、Vue 2 で構築された注文アプリケーションと、注文機能を抱え込んだ旧来のカート基盤の上で長く運用されてきました。ここへ、サイズや仕上げの選び方を含む購入導線とUIを作り替えたいという要望が重なります。スマートフォン対応も視野に入っていました。
最初の論点になったのは、その作り方です。既存アプリケーションを改修して Vue 3 へ上げる案と、1から作り直す案の2つがあり、起案の時点では「AIでコードを解析できる今なら、既存改修のほうがコストも納期も圧縮できるのではないか」という見立てが示されていました。
アプローチ
フロントエンドの実装者3名がそれぞれ独立に検討し、いずれも作り直す案を選びました。挙げた理由は次のとおりで、少しずつ違うところから同じ結論に着いています。
- ライブラリのメジャーバージョンアップに伴う破壊的変更が、アプリケーション全体へ波及する見込み
- AIで既存コードを解析しても、実装プランを立てるには開発者がコードと仕様を把握する必要があり、その工数は残るという判断
- 初期の実装工数は改修のほうが小さくても、運用フェーズまで含めると逆転するという見立て
- スマートフォン対応まで視野に入れるなら、結局は新規プロジェクトになるという見通し
「AIで既存改修は安くなるか」という問いに対して、調査と仕様把握という人間側の作業は残り、デザインの刷新とスマートフォン対応が前提にある以上、既存改修の優位は失われる、という判断です。検討結果は技術調査資料とリニューアル提案書にまとめ、作り直しを前提とする方針として合意しました。
成果
2026年7月27日、PC版写真プリントの注文カートが、ポストカードやカレンダーと共通の注文アプリケーションのSPAへ切り替わり、本番リリースされました。旧来のカート基盤で管理されていた注文機能は、すべてフロントエンド側の管理へ移っています。しまうまプリントのブラウザ向けカート画面がSPAへ移行した、最初のケースです。
共通の注文アプリケーションに載せ替えたことで、3Dセキュア対応のように商材をまたいで必要になる決済まわりの実装を、一箇所に集約できる構成になりました。一方、アルバムのカート機能は要件が異なるため、別のカート機能として存置されています。
企画段階で挙がっていた画像のアップスケールや、サイズから仕上げへ進む導線への作り替えは、この移行の範囲には含まれていません。作り直しの方針から現時点で形になっているのは、注文の入口にあたるカートを共通基盤へ載せ替えるところまでです。